ファゴットと私

 青年の主張みたいなお題になってしまいました。私とファゴットの出会いは今を去ること20数年前の高校時代の吹奏楽班でした。私の2年上に現在はリード制作者としても高名なY先輩がファゴットを吹いていました。当時は高校でファゴットがあるなんてめずらしくておそらく県内では私の出身高校だけだったと思いますしそのファゴットも実はY先輩のマイ楽器でした。私はユーフォニアムを吹いていたのですが先輩がクラブを引退するに当たり同期のユーフォニアム奏者が3人もいて一番下手な私が次期ファゴット吹きに指名されたようです。クラブで楽器を買ってもらうまで(同窓会の予算から顧問の先生が捻出していただいたらしいですが)3ヶ月ぐらいの間バリトンサックスを吹いていたり信州大学の教育学部で借りた楽器を吹きに自転車で通ったり(貸してはくれたけど門外不出だった・・)してました。

 大学へ入ってから祖母がどういう風の吹き回しか(入学祝いだったのかもしれませんが)10万円を「好きなことにお使い」と言って渡してくれました。早速Y先輩に頼んで選んでもらい新宿の専門店Akミュージック(現在のJDR)に購入しに行きました。それだけのために東京へ行くのがもったいなくて仲間と演奏会を見に行くついでに楽器を取りに行きました。最初の楽器はメーニッヒでしたがもちろん当時でも確か40万円ぐらいしましたので祖母からもらった金だけでは足りません。残りはアルバイトをしてローンで払いました。アルバイトも家庭教師やらレコード店(CD店ではない!)やピアノ教室の臨時講師などをやってましたねぇ(^_^;

 その楽器はいまだに所有してます。自分で苦労して払ったことやもう亡くなってしまった祖母のことを考えると中古で売ろうという気持ちになれません。現在は出身高校のオーケストラの後輩に使ってもらってます。実は密かな自慢ですが私の心の師である元ウィーンフィルハーモニーの首席ファゴット奏者カール・エールベルガー先生が一回だけこの楽器を吹いてくれたことがあります。春の祭典の冒頭とかモーツァルトの協奏曲の断片でした。あの偉大な先生の息が通ったことがある楽器なのです。

かなり色が赤いです。JDRのライトケースに入れました。


 現在使っている楽器はヤマハです。ロングベルの5ピースタイプです。


 型番はYFA-X4なんていう珍しいモノです!ベルにYAMAHAのロゴも付いてません。


 さらによく見るとAs-Bトリルなんかも付いてます。↓


 おそらく現在のヤマハ製のファゴットを作る前段階の研究プロトタイプの一本かと思われます。ヤマハは開発コードに良くX(エックス)を使うと聞いてます。あの有名なデジタルシンセのDXシリーズも開発コードをそのまま製品名にしてしまったらしいです。(連邦の白いモビルスーツもコードナンバーはRX78でしたが・・)全体の感じはヘッケルのコピーっぽいです。またシリアルナンバーは8701なのでおそらく87年の壱号機と思われますが・・今度ヤマハの方に会ったときに確かめたいと思います。我々の世代はプロトタイプとか試作機とか聞くとついつい思い入れが出てしまい全体を赤く塗ってゲルググと名付けようかとか「ザクとは違うのだよザクとは!」とか叫んでしまったり零号機とか壱号機とかの旧字を使おうかなどと考えてしまうのですが(笑)

「ファゴットのページ」に戻る